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ジョン エヴァレット ミレイ展 [その他]

ジョン エヴァレット ミレイ展

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Bunkamura ザ・ミュージアムに8月末からやっていたジョン エヴァレット ミレイ展を見に行って来ました。
肖像画が多いのだけれども彼の肖像画は表情が豊かです。思わず、何を考えているのか、肖像画を書かれるモデルのその時の前後に何があったのか、想像(詮索と言った方が適切かな?)したい思いにかられます。
もちろん、今回のメインは「オフィーリア」。10年くらい前に一度日本に来ていますが、その時には見に行かれず、とても残念な思いをしました。なので、今回は友人に前売りのチケットを購入してもらい、見に行く事が可能になりました。
ご存知の通り「ハムレット」の「オフィーリア」です。悲しみにくれ、森を彷徨い、枝を取ろうとして、足を滑らし、川にドレスが浸かり、藻がドレスの裾を縛りつけ、人魚の様になったオフィーリアはそのまま足を取られ川に流されて行くシーンを描いたものです。森で紡いだ小花達がオフィーリアと一緒に流されて行きます。自分が死んで行く事にも気が付かず、祈りの歌を口ずさみ、その声も途切れ途切れになって行きます。

この絵は他の肖像画とは対称的に透き通る程に無表情です。諦めも希望もみじんも考えている事は伝わってこないのです。この時のオフィーリアは何も考えていないのでしょう。人が何も考えていない時(生きながら死ぬ)の表情を描く事くらい難しい事はありません。

まず、ミレイは徹底して風景を探し歩いて、風景を決め、何日もかかり、風景から描きました。
そして、家のアトリエに水の張ったバスタブを持ち込み、そのバスタブに何時間もの間、モデルを浸けて、何日にも渡って、デッサンを繰り返しました。モデルは本当に死にそうになったそうです。そして、最後に既に描いた風景にオフィーリアを書き込みました。なので、実際の川の流れは絵とは逆になっています。
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ララアント

お忙しいと言いながらも こうして展覧会へ行こうと
いう意欲があるミックさん nice! です。
by ララアント (2008-10-14 17:21) 

カオリン

ミックさんは芸術の秋を楽しまれているようですね。
私はもっぱら食欲の秋ですが・・・
芸術家はいい作品を生み出すためには、どんな苦労も厭わないのでしょうね。
それに付き合わされたモデルさんは、さぞかし大変だったと思います。
何日間もバスタブに浸かっていたら、手がシワシワなんてもんじゃなかったんですよね。
by カオリン (2008-10-16 21:00) 

さとし

はじめまして
花に囲まれながら死を迎えているオフィーリアの絵とその解説を読みながら、ガンで亡くなった緒形拳のドラマ(風のガーデン)を観ています。北海道の花に囲まれた中で演技をしながらまた本当の死を覚悟しながら「生きてるものは必ず死にます。おじいちゃんもいずれ死ぬ。死ぬってことは生きてるものの必ず通る道です。」と言っています。俳優が死ぬまで現役でいたいという気持ちの強さは我々凡人にはわからない世界です ネ。オフィーリアも緒形拳も花に囲まれて死んでいったのですね。
by さとし (2008-10-17 02:01) 

ミック

ララアントさんへ
祝日はダメですね。
混みすぎです。
そして、暑かった。
あまり、よく、観られなかったので、一時間もいませんでした。

by ミック (2008-10-20 00:32) 

ミック

カオリンさんへ
芸術の秋、久しぶりに味わいました。
>何日間もバスタブに浸かっていたら、手がシワシワなんても>んじゃなかったんですよね。
爆!niceです^^!

by ミック (2008-10-20 00:33) 

ミック

さとしさんへ
はじめまして。
この記事を見ながら、「風のガーデン」を観ていらした事に
感激です。
花に囲まれて死ぬ事もある意味、生きてるものの必ず通る道なのかもしれません。
余談でなので、あまり、好きな話ではないのですが、
この「オフィーリア」に描かれている花には
全て悲しい花言葉が託されています。

by ミック (2008-10-20 00:38) 

さとし

花言葉というと、ドラマ「風のガーデン」では緒形拳がオリジナルな(勝手な)花言葉を孫に教えるのですが、(もちろん花言葉を考えるのは脚本の倉本聰で)「倉本先生が咲いている花で新しい花言葉を考えるので、撮影直前でセリフが変わったりして大変でした。」というコメントがありました。
by さとし (2008-10-20 09:59) 

さとし

私はほとんど本を読まなくて、ハムレットの話がわかってないのですが、シェイクスピアでは「ロミオとジュリエット」はプロコフィエフのバレエやオリビアハッセイー(布施明の元妻)の映画やバーンスタインのWestSideStory で知っているぐらいです。ミックさんのブログでオフィーリアのまわりの花言葉だけ調べてみました。
花言葉って一つの花に沢山あるのですね。その中で勝手に少し選んでみました。もっと沢山ありましたが・・・。
ヤナギ:「憂い」 「愛の悲しみ 」
キンポウゲ:「子どもらしさ」「中傷」
イラクサ:「中傷」「悪口」「悪意」「残酷」
ひな菊:「純潔」「無邪気」「お人好し」「無意識」
紫蘭:「不吉な予感 」「美しい姿」「変わらぬ愛」「薄れゆく愛」
私はオフィーリアのまわりの花がこんな花だとも初めて知りましたので、花言葉の選択が正しいかはわかりませんが・・・。

by さとし (2008-10-21 00:51) 

さとし

「風のガーデン」のオリジナルな花言葉の続きです。xxxの花言葉は「小学生の淡い初恋」と言った後に緒形拳が孫に初恋について質問します。すると孫が「ルイの事はメッチャ好き」と言うと。緒形拳が「ルイは君の実の姉さんです。それは恋には入らないのです。」と。男の子の初恋は身近な年上の女性(お姉さんであったり、母親であったり、学校の先生だったり)なのですね。
by さとし (2008-10-22 01:12) 

ミック

さとしさんへ
オフィーリアの花言葉の選択はとても的確です^^!
「尼寺へ行け!」と、言われた後のオフィーリアの悲しみと
絶望を表しています。
男の子の初恋は身近な年上の女性という事が多いですね^^
でも、緒形拳が言う様にそれは恋には入らないですね^^
緒形拳はとても大好きな俳優さんです。
亡くなってしまって、とても悲しいです;。;
by ミック (2008-11-09 21:23) 

さとし

ミックさんコメントありがとうございました。
またまた、風のガーデンの花言葉です。「オリエンタルポピー」はこんなに綺麗なのにすぐに散ってしまいます。
花言葉は「女の盛りは40過ぎからヨ」です。「アラ4」をイメージしているのでしょう。(正確には「Over40」でしょうか?)
素敵な女性はいくつになっても素敵だということですネ。

by さとし (2008-11-10 11:05) 

ミック

さとしさんへ
オリエンタルホピーは花びら一枚、一枚が落ちていくという
イメージがあります。
一枚、一枚でも散り始めたら、あっという間でしょうに・・・。
素敵でいるというのは努力がとっても必要ですよね^^♪
沢山、努力します^^♪
by ミック (2008-12-29 02:37) 

さとし

ミックさんは、映画・絵画・音楽そして花と、色んなことに詳しいですね。感心します。オリエンタルポピーの風のガーデンの花言葉について「アラ4(アラフォー)」と書きましたが今年の流行語大賞になるとは意外でした。私のまわりには、「アラフォー」を知っている人が少なかったので・・・。流行していなかったのでは??
風のガーデンの最終回では、平原綾香が教会でのミニコンサートで大切な人が亡くなったので1曲しか歌えませんと言って、「カンパニュラの恋」という歌を歌います。亡き恋人への鎮魂歌(レクイエム)を教会で歌う、感動のラストです。(涙)
風のガーデンの創作花言葉は「風のガーデン 貞三先生の花言葉」という本も出ているようです。YouTubeにも出ていますので、ドラマを観なかった人も面白い花言葉を観てください。
http://jp.youtube.com/watch?v=FEbsW27tYo0
by さとし (2008-12-30 15:19) 

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